タイヤに関する専門用語

凝着摩擦について

摩擦は大きく分けて【静止摩擦】と【動摩擦】に分けられます。
摩擦の説明は言葉にするのが難しいのですが、机の上に人差し指をつき、斜め下に力を入れてみてください。ある一定の力までは指が滑らずにそのままの状態を保てますよね?
指が滑りだすギリギリまでが、静止摩擦が生じている状態です。

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更に力を入れると指が滑りだしますが、この状態が動摩擦の生じている状態です。
式で表すと 静止摩擦>動摩擦 となります。

車の運転に置き換えると、普通に走行している状態は静止摩擦を使っています。
タイヤが滑っている時(スピンしてしまっている時や、ドリフトしている状態)の時は動摩擦になってしまっています。

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更に、静止摩擦について説明しますと、静止摩擦係数1を超える物体はないと言われているそうです。
しかし、タイヤ(ゴム)はこの静止摩擦係数1を超えることが出来る物体なのです。

この静止摩擦係数1を超える摩擦のメカニズムを凝着摩擦と呼びます。

ミクロ的に路面を見てみると必ず凸凹が存在します。この凸凹に対しタイヤが回転して接地部分(トレッド)のゴムが叩きこまれます。
この時に叩きこまれた反動と、ミクロレベルでのゴムの引きちぎりの力により静止摩擦係数1を超えるグリップを発揮する事ができるのです。
この摩擦が凝着摩擦と呼ばれるものです。

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凝着摩擦は歯車をイメージすると分かりやすいかもしれません

この特性を超える物質が、ゴム以外に中々無いのでタイヤの主成分は、昔からゴムが使用されているのです。
また、この凝着摩擦があるので、スムーズな発進や安全に止まる事ができるのです。

北陸新幹線が開通しましたが、最高速度では自動車は新幹線にかないません。
しかし、スタートとストップに関しては、自動車が絶対に勝てます。これは車輪の特性によるものです。
ゴムを主成分とした車輪(タイヤ)を使っている自動車は、急な運転にも対応できますが、金属の車輪で走る新幹線は急な運転に対応できません。 停止状態から急にスピードを上げようとしても、車輪も金属、レールも金属の為、滑ってしまいます。走行状態から停止しようとしても、やはり滑ってしまいます。

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反対に最高速度を出す場合には、金属の車輪は変形が少ないので転がり抵抗がほとんど発生しませんから、最高速度の持続は金属車輪の勝ちです。
新幹線はゆっくりゆっくり加速し、最高速度を保って長距離を走り、ゆっくりゆっくり減速して止まります。これがゴムで出来た車輪と金属で出来た車輪の違い、言い換えると凝着摩擦(自動車)と静止摩擦(電車)との走行上の違いとなります。