タイヤの説明

スタッドレスタイヤの性能

スタッドレスタイヤには大きく分けて3つの性能が求められます。

氷上性能

一つ目は氷上性能です。氷の上でタイヤが滑ってしまうのは、スキーやスノーボード、スケートが滑る理論と同様で、タイヤと路面(氷)の間にミクロの水膜が出来てしまう事が原因です。

如何にして氷上の水膜を除去し、氷にタイヤを密着させるか…日本のタイヤメーカーは様々な工夫を凝らし、氷上性能の向上を図ってきました。

2021年9月1日に発売のヨコハマタイヤ最新モデル「アイスガード7」の氷上性能の秘密は、新開発の「ウルトラ吸水ゴム」と接地面積の増加にあります。

ゴムの中に含まれている新マイクロバルーン(ガラスで出来た中空の玉を想像してください)が地面に接地して割れるとドーム状になり、ミクロの水を閉じ込めます。

更に新採用の吸水スーパーゲルが、ミクロの水を瞬時に吸い上げ水膜を除去します。

また、氷の表面は凹凸が極端に少なく摩擦係数が極めて低い為、水膜を除去するだけでは十分な駆動力・制動力を得る事は出来ません。

新開発の「ウルトラ吸水ゴム」は、氷点下近くの低温な路面でもタイヤの接地部分がしなやかに変形し、ナノレベルで氷上の微細な凹凸に追従し密着する事を実現しています。

新採用された「ホワイトポリマーⅡ」を配合する事により、低温時でもゴムを柔らかく、しなやかに保つ効果を上げるシリカを均一分散化しています。

更に、新マイクロバルーンのカラと、新採用の「マイクロエッジスティック」がナノレベルで氷上の凹凸を噛む事により、より高い駆動力・制動力を発揮します。

これらゴムの効果と新しいタイヤパターンによる接地面積の増加により、氷上制動性能が最新のアイスガード7は従来モデルに比べ14%向上しています!!

また、ヨコハマタイヤに限らず、国内タイヤメーカー各社より近年発売されているたモデルには、ゴムの経年変化による硬化を抑制する物質が配合されている為、使用開始後、数年経ってもゴムのしなやかさが持続するようになりました。

ゴムの柔らかさを保つ為にオイル成分を配合していた時代もありましたが、オイル成分は性質上、経年によりゴムから徐々に抜けてしまい、それに伴ってゴムの硬化が引き起こされました。

そこでオイル成分抜けによるゴムの経年変化による硬化を防ぐ為に、新たなる配合剤が開発されました。

ヨコハマタイヤ オレンジオイルS
ブリヂストン  ロングステイブルポリマー
ダンロップ   液状ファルネセンゴム
トーヨー    持続性密着ゲル

各メーカーによって呼び方が異なりますが、これらの配合物質はタイヤのゴムに非常に親和性が高く、且つ、ゴムから抜けにくい特性を持ち、しなやかさと柔らかさを永く持続させる働きがあります。

一昔前のスタッドレスタイヤに比べると年数が経ってもゴムが硬化しにくく、性能が持続するのは安心ですし嬉しいですね!

雪上性能

二つ目は雪上性能です。雪上での駆動力・制動力を向上させるには雪はけを良くする事が必要です。

タイヤに刻まれた溝の面積と密接な関係がありますが、雪はけを良くするには排水性能を向上させる事が良いそうです。

排水性能とは水を前方に弾き飛ばす性能ですが、雪はけとはタイヤのパターンにより踏み固めた雪を蹴り、後方に飛ばす性能、雪柱切断性能の事を指します。

ちなみに排水性能が上がったタイヤは水はけ、雪はけも良いですが、泥はけも良くなるそうです。

春先のシャーベット状の雪が多い道路ではものすごく大切な性能となります。

ケース剛性

三つ目はケース剛性(タイヤの入れ物としての強さ)です。

ケースとはタイヤの骨格を含めた構造の事を指します。

コンパウンドを柔らかくすれば氷上性能は簡単に上がるのですが、コンパウンドを柔らかくするとケース設計が難しくなるそうです。

タイヤ自体がよれてしまうとブレーキング時や、コーナリング時に有効接地面積が減ってしまいますので、コンパウンドの柔らかさをカバーする事が出来る内部構造を実現させなければなりません。

また、近年発売されている自動車は軽自動車を含め、大分重量が増しており、更にハイブリッドカーも以前に比べて非常に増えています。

特にハイブリッドカーの初期駆動力はモーターによる出力比率が多くなっていますので、ガソリン車に比べ発進時にはタイヤにかかる負荷が高くなっています。

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤはケース剛性を上げているので、発進時を含め、接地面積が減りにくくなっています。

氷上でも有効接地面積が減らないので、動くことや曲がること、止まることができるのです。

更にヨコハマの低燃費タイヤブルーアースシリーズで培った省燃費技術がスタッドレスタイヤにも生かされています。

路面に設置するトレッドゴムの下にタイヤの形状を保つベースゴムという層がありますが、このベースゴムの発熱を制御する技術が採用されています。

ころがり抵抗性能は夏タイヤのエコスES31とアイスガード6、アイスガード7は、ほぼ同等のポジションを実現しています。

氷の上で人間が滑って動きにくいのに、重たい車を走らせたり、止まらせたりすることが出来るスタッドレスタイヤってすごいですよね!