タイヤの説明

グリップ(凝着摩擦)について

タイヤによるグリップの発生には摩擦が大きく関連しています。摩擦は大きく分けて【静止摩擦】と【動摩擦】に分けられます。摩擦の説明は言葉にするのが難しいのですが、机の上に人差し指をつき、斜め下に力を入れてみてください。ある一定の力までは指が滑らずにそのままの状態を保てますよね?指が滑りだすギリギリまでが、静止摩擦が生じている状態です。更に力を入れると指が滑りだしますが、この状態が動摩擦の生じている状態です。

摩擦力の大きさは静止摩擦>動摩擦となります。

車の運転に置き換えると普通に走行している状態は静止摩擦を使っています。タイヤが滑っている時(タイヤがスピンしている時や、ドリフトしている状態)の時は動摩擦が生じている状態となります。タイヤのグリップは静止摩擦から動摩擦になる滑りだす直前が最大となります。

凝着摩擦

乾いた物質同士の組み合わせでは、摩擦係数が0.3~0.6になる事が一般的ですが、ゴムは摩擦係数が1~2となるそうです。(氷の上では接触部分で融解が起き、水が潤滑剤となる為、摩擦係数が0.1以下になり大変滑りやすくなります)

このゴムによる非常に高い摩擦係数を示すメカニズムを凝着摩擦と呼びます。

ミクロ的に路面を見てみると必ず凸凹が存在します。この凸凹に対しタイヤが回転して接地部分(トレッド)のゴムが叩きこまれます。この時に叩きこまれた反動と、ミクロレベルでのゴムの引きちぎりの力により摩擦係数1を超えるグリップが発揮されます。このメカニズムが凝着摩擦です。凝着摩擦は歯車の仕組みに大変似ています。

このような摩擦特性を持ち合わす物質がゴム以外には中々無いので、タイヤの主成分は昔からゴムが使用されているのです。また、ゴムによる凝着摩擦の作用により自動車はスムーズな発進と加速を行うことが出来、ブレーキを踏む事により安全な減速が出来るのです。

車輪の特性

スピードが出る交通機関には新幹線があります、最高速度では自動車は新幹線にかないません。 但し、スタートとストップに関しては自動車の方が絶対的に優れています。これは車輪の特性によるものです。

ゴムを主成分とした車輪(タイヤ)を使っている自動車は急な加減速にも対応できますが、金属の車輪で走る新幹線は急な運転に対応できません。停止状態から急にスピードを上げようとしても車輪も金属、レールも金属の為、滑ってしまいます。走行状態から停止しようとしても、滑りながら減速されます。

一方で高い速度を維持し走行する場合には、金属製の車輪は変形が少ない為、転がり抵抗がほとんど発生しないので最高速度の持続は金属製の車輪が有利です。新幹線はゆっくりゆっくり加速し、最高速度を保って長距離を走り、ゆっくりゆっくり減速して止まります。

これがゴムで出来た車輪と金属で出来た車輪の違い、摩擦に置き換えると凝着摩擦(ゴム製のタイヤ)と静止摩擦(金属製の車輪)との走行上の違いとなります。